40年間の看護師としてのキャリアと、日本美腸協会の資格を活かした新しい働き方を開拓
- <プロフィール>
黒田 紀恵子さん
(独)相模原病院に勤務し、2020年11月より「からだとこころのヘルスケアサロン ソレイユ」を開業した
日本美腸協会 美腸アドバイザー®・美腸セラピスト™
40年間看護師として働き、内視鏡室の検査介助を担当。現在は美腸活ケア外来を担当しながら、自身の強みを活かし整体腸もみとカウンセリングを精力的に行っている
※「美腸活ケア外来」は看護外来で、診察行為ではありません。
相模原病院独自のもので、「美腸活ケア外来」では、腸の知識とケア技術を提供することで健康寿命を延ばし、心身の健康を広げていくことを目的にしています。日本美腸協会認定「美腸アドバイザー」が医療知識と技術を通じてお客様に寄り添った個別指導(食事・生活・自分でできるお腹のマッサージ等)をすることで、健康と美容の維持増進をサポートします。 - ー黒田さんが日本美腸協会と出会ったきっかけは何でしたか?
- 20数年、内視鏡検査の看護師として、胃や腸の分野にずっと携わってきました。その中で先生が「この人の腸は若い」とか「この人の腸は歳をとっている」と言っていて、胃や腸などそれぞれの臓器に人それぞれ違いが出るのだと知りました。どうしてこのような差が生まれるのかを先生に聞いたところ、腸の粘膜やポリープの状態、血流などで差があることがわかるようになって、なぜか興味を持ちました。
院内で先生方とアンチエイジングについて話す機会が多かったこともあり「最近、腸についての講座が多いけど、一度受けてみる気はない?」と声をかけてもらいました。そこで情報収集しようとインターネットで検索したところ、自宅近くで1週間後に岩﨑恵子先生の3級講座(現 腸の入門講座)をみつけ、早速申し込みをしました。
- 自分と同じ看護師が立ち上げた日本美腸協会。腸についての正しい知識をもっと学びたい。
- ーでは、最初に講座を受けてどのような感想を持ちましたか?
- 腸専門の看護師をしているので、知っていることもが多いのではないかと高を括っていたのですが、その内容の充実度に驚きました。正直、ここまでの勉強はしていなかったなと思いました。また、講師の岩﨑恵子先生が明るく丁寧に教えてくださったので、とても楽しかったですね。これはもっと勉強したい!と思いました。
- ー講座を受けて、最も印象的だったのはどのようなことでしたか?
- 内視鏡検査では小腸内部は小腸鏡やカプセル内視鏡などがないと見ることができないので、小腸についてはすべてが新鮮でしたね。小腸ってこんなにすごいものだったんだと衝撃的でした。完全にノーマークでしたね(笑)
そして、この小腸をメインで考えている日本美腸協会ってすごいな、とも思いました。ましてや美腸協会を立ち上げたのは私と同じ看護師だと聞いて驚きました。また同時に、正しい情報を学べる安心感と親近感もわきました。しっかりと学んで自分の知識に加えたいと思いましたね。
- ー3級講座(現 腸の入門講座)受講後、2級(現 美腸プランナー®講座)もすぐに受講されましたか?
- 病院で受講を勧めてくれた先生に受講後すぐに「私、次も受講する!」と言いました。先生も予想通りだったみたいで(笑)スケジュール的にもタイミングがよかったので、早速2級講座(現 美腸プランナー®講座)を受講しました。
今まで病院では「便秘で悩んでいる」「お腹が痛い」という状態の患者さんを対処していましたが、2級まで受講したことで、こういう食事をとったから、こういう生活習慣だったから便秘になっているんだ、腹痛を起こしているんだ、というプロセスと結果が結びつけられるようになりました。
ただ、このときはまだ知識として身についただけで、仕事に生かすことは考えていませんでした。周りに広めるようなこともありませんでしたね。そして、その後は仕事が忙しかったこともあり、次のステップに進んでいませんでした。
- 定年目前、美腸アドバイザー®の資格取得が今後のキャリアを決める大きなターニングポイントに。
- ー美腸プランナー®講座を受講されてから1年後、美腸アドバイザー®講座を受講されたとのことですが、きっかけは何だったのでしょうか?
- 定年を前に、先生から「腸の外来を立ち上げるから担当してほしい」という打診があったのがきっかけです。そこで、美腸プランナー®の資格だけじゃ足りないと思って、美腸アドバイザー®講座を受講しました。
定年後も相模原病院を離れることはないと思ってはいましたが、美腸アドバイザー®の資格を取ることで院外でも活動できるのではないかという期待感もありました。そこで、美腸アドバイザー®の資格取得後は院内だけでなく、院外での活動も視野に入れ、外来開設をお受けしました。
そのときは今のように積極的に院外で活動することは思ってもいなかったのですが、選択肢の一つになればいいなという気持ちでしたね。
- ー それでは、美腸アドバイザー®の資格を取得して変化があったんですね。
- 美腸プランナー®の資格取得時には、この知識で十分だなと思うところがありました。ただ、本当に知識として身についただけで、患者さんに生かすようなことは考えていませんでした。
美腸アドバイザー®になってみて、自分の考え方や立ち位置が変わった実感がありますね。意識が変わったというか。学んだことを生かすにはどうしたらいいかを考えるようになりました。
また、自分自身にも変化がありましたね。もともと仕事柄、ストレスが多くて不規則な生活だったので、便秘や不眠は日常的でした。でも、何かあればすぐに薬を処方してもらえればいいやという考えだったので、全然悩みになっていなかったんです。薬を飲むのが当たり前だったんです。
最初に美腸プランナー®を取得したときは、簡単な体操をしたり、取り入れやすい腸活グッズを使ったりするだけでしたが、美腸アドバイザー®になってからは食生活から見直しました。
お昼には、酵素玄米やもち麦のおにぎりとスープジャーに無添加野菜のフリーズドライを使ったお味噌汁を持参するなど積極的に腸にいいことを取り入れましたね。私自身がみんなの鑑にならないといけない、という気持ちが芽生えたんです。
そうして腸活を続けていた結果、今ではまったく薬を飲まずに便秘も不眠も改善しています。この内面の変化は自分にしかわからないことなのですが、とても嬉しいですね。
美腸プランナー®は自分だけの知識、美腸アドバイザー®は人に伝えるための知識なんだなと改めて感じました。
- 看護師としてのキャリアアップではなく、美腸アドバイザー®としての道を選んだ
- ー 看護師としてのキャリアアップではなく、美腸アドバイザー®として院外でも活動しようと考えた理由は何でしたか?
- もともとカウンセリングが好きだったことや看護師としての知識や内視鏡の担当をしていたことなど、今までの経験がすべて美腸アドバイザー®としても活かせるのではないかと思ったからですね。
ただ、腸に関しての知識は圧倒的に足りないと思ったので、美腸協会の講師の先生方に沢山の事を教えていただきました。皆さん本当に明るくて素敵な方ばかりで、素晴らしい仲間たちに出会えたなと感じましたね。この仲間たちともっと学びたい、そして、これをライフワークにしたいと強く思いました。
- ー 美腸を仕事に選んだことについて、周りの反応はいかがでしたか?
- 周りからは「今までのキャリアを活かせば良い待遇で働けるのに」とか「なんで今更そんなことするの?」という意見もありました。
今まで長年勤めてきて働きやすい環境があるのに、まさか60歳を過ぎて、外来の設立や資格取得など新しいことにチャレンジするなんて、自分でも思ってもみなかったことですからね(笑)
たしかに美腸に出会っていなかったら、定年後もずっと同じ環境で看護師として働き続けていたと思います。今までにはなかった選択肢が生まれたんですよね。すごいチャンスだなと思ったんです。自分を突き動かしたのは、美腸協会です。
- ー 腸の専門という新しい外来を立ち上げて、大変なことはありませんか?
- 立ち上げ当初は、病院から週に3日勤務のうち2日以上は今までの内視鏡の部署で人材育成、残りの半日ほどで、腸の外来をするように言われていました。
たった半日でも患者さんを診させてもらうことにとてもやりがいを感じましたね。もちろん、もっと腸の外来にリソースが割けてたくさんの患者さんを診たいという気持ちもありますが、内視鏡の部署も私を必要としてくれているので、感謝しています。
それに院内でも応援してくださる方がたくさんいることも嬉しいですね。
- ー 腸の外来に来る患者さんに変化はありましたか。
- どの患者さんにも少しずつ変化がありますね。
最初は1時間もカウンセリング続くかなと不安になるほど表情が暗かった患者さんでも、明るくなって笑顔が増えます。それから定期的にカウンセリングをしていると、肌が綺麗になった、よく眠れるようになった、職場でイライラしなくなった、白髪が減った、足が釣りにくくなった、旦那さんと喧嘩しなくなった、など些細な変化だけど着実に改善があります。
長年の便秘をすぐに治すのは難しいけれど、カウンセリングをきっかけにして、もっと自分自身と向き合ってもらって、少しずつ改善をみつけられるようになるといいなと思います。
患者さんの変化には医師も気づいているようで、紹介いただくことも増えているんですよ。
- 看護師 × 美腸を武器に、さらに新しいチャレンジへ
- ー 美腸の知識は医療従事者にとって強みになると思いますか?
- 医療従事者にとって、知っていたほうがいい知識だと思いますし、良い刺激にもなると思います。人生を変える強みにするかどうかは人それぞれですが、十分強みになる知識であることは間違いありません。
私自身、最初に学んだときは仕事に役立てることも、これからのキャリアに生かすこともまったく考えていませんでしたが、今改めて、看護師という仕事に生かせるか考えてみると、患者さんを対応する患者指導としてだったり、栄養部門と相談して看護計画を立てるときだったり、さまざまな場面で参考になることがたくさんありますね。
ただ、院内で生かすとしたら病院側の理解や協力も必要です。すぐに病院を巻き込んで新しい何かを行うということは難しいかもしれないけれど、自分の知識として学んで、できるところから取り入れるだけでも価値のある知識だと思います。
- ー 最後に、今後の目標を教えてください。
- 2021年2月から腸もみを隔週で1枠行うことになりました。また、今まで腸の外来は半日だけだったのが丸一日になって6人まで診られるようになりました。
始めたばかりの頃は、自由診療の腸外来で患者さんに満足していただけるかどうか不安でしたが、一年半経っても皆さんが継続して通ってくださっているので、とても安心しました。また、それが自分の自信にも繋がっています。
今まではドクターからの紹介や院内の掲示物などから便秘に悩んでいる患者さんや不定愁訴の患者さんが来てくださっていましたが、自信が持てたことで、それまで断っていた病院のホームページや院内の広報雑誌にも掲載してもらい、積極的に宣伝を始めるようになりました。また自分にとって新しい毎日が始まります。
さらにこれからは院内の外来だけではなく、院外に活躍の場を広げていきたいと思っています。美腸協会で学んだことをベースにして、今までの経験や知識、特性を活かして自分にしかできない新しいことにどんどんチャレンジしたいです。